特集 戦争の代償と歴史認識
慰安婦問題に精通した中央大学・吉見義明教授、関東学院大学・林博史教授が4月10日(木)、日本外国特派員協会で記者会見をした。吉見・林、両氏は2007年4月17日にも日本外国特派員協会で会見を行っており、今回2度目の会見となる。
- 記事目次
- 「河野談話は公式なもの」
- 慰安所をめぐる日本軍と米軍の違い
「河野談話は公式なもの」
ドイツ人記者が、「米国政治関係者らの議論の間で、河野談話は公式なものではないのではないか、といった議論がある。この点をどう見ているのか」と質問すると、吉見教授は、「言うまでもなく、官房長官の名前で出されたものだから、公式なもの。はっきりしていると思う」と述べ、林教授も「河野談話を継承するという内閣の答弁書を閣議決定している。内閣として閣議決定している。極めて公的なものと考えている」と両氏共通の見解を語った。
慰安所をめぐる日本軍と米軍の違い
林教授は、日本軍の規定によって、慰安所が軍の公式施設とされていたことを紹介した上で、「こういう例は、(世界でも)なかなかない」と指摘。「米国のナショナルアーカイブで随分調べたが、米軍の場合は、ワシントン(政府)が知ると、オフリミットにして施設を閉鎖させる。公式の施設としては米国は認めていない。これは日本軍と違う点だ」と、日本における従軍慰安婦制度の特異性について解説した。(IWJ・石川優)
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